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後鼻漏の目次
≫後鼻漏について ≫後鼻漏の原因と治療 ≫後鼻漏チェックリスト
≫後鼻漏に関する全国アンケート調査結果 ≫後鼻漏治療の来院データ ≫後鼻漏の症状と生活上の弊害
≫後鼻漏のよくあるご質問 ≫後鼻漏と咳
後鼻漏について ~鼻水がのどに落ちる、後鼻漏~
後鼻漏は、異常な鼻水がノドの方へ流れ落ちてくる症状です。
いくら鼻をかんでも鼻水は前方から出ず、絶えずノドに流れ込んでしまい、その鼻水を口から吐き出し続けるか、飲み込み続けるしかありません。その不快感はとても大きく、重症になると食事や睡眠などの日常生活から対人関係にまで弊害を及ぼします。
例えば鼻・副鼻腔の感染性後鼻漏、アレルギー性後鼻漏、好酸球性後鼻漏、術後性後鼻漏、形態性後鼻漏、自律神経性後鼻漏、加齢性後鼻漏など、様々なタイプがあります。
患者さまの後鼻漏のタイプに合わせて、適切な治療を進めていきます。
後鼻漏の主な症状
鼻水がノドに下がる、咳込み、咳払い、痰がからむ、痰の吐き出し、ノドの違和感、異物感、詰まり感、睡眠障害、イビキ
花粉症や鼻炎を放置すると慢性化して、後鼻漏に発展していってしまう・・・。
花粉症や鼻炎を放置した場合、細胞に傷がつき本来細胞の中からは出てこない、
DAMPs(細胞の危機を知らせる信号)という成分が放出されます。
このDAMPsが出ると免疫細胞がDAMPsを抑えるために攻撃します。そうなると今度はその場所で新たに炎症を起こしてしまいます。
それが繰り返され慢性化してしまうので、薬で完治させることはまず難しいでしょう。
この症状を"自然炎症"と言い、この負のサイクルに入らないように、
初期段階で炎症の原因を突き止め根治させることで、慢性化は防ぐことができます。
しかし、残念ながら初期症状を放置したり、薬で誤魔化し誤魔化し生活してしまうと、
高い確率で最終的に後鼻漏にたどり着いてしまいます。
後鼻漏の原因と治療
後鼻漏の原因
後鼻漏はノドの異常として自覚されることが多いのですが問題は鼻にあり、何らかの異常で大量に発生した鼻水が、鼻腔の構造や鼻水の発生位置などの理由によってノドの方へ流れ込んでいます。
後鼻漏の症状を改善するためには、大量の鼻水を発生させている原因を治療することが第一です。
原因となる疾患としてはアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)などが考えられますが、特にノドへ流れてくる鼻水が臭うようであれば副鼻腔炎の可能性が高いでしょう。
後鼻漏の治療
鼻粘膜の一部で鼻水を作る鼻腺が増殖した状態で、当初の原因が花粉症・ アレルギー性鼻炎だったとしても、抗アレルギー剤等の効果は十分に得られません。
また、鼻粘膜が炎症などにより刺激を受け続けたことで変性を起こしてしまっているケースもあり、このような場合は治療が一層難しくなります。
また、このような変性は不可逆的なものですが、変性した粘膜を直接取り除くことも従来の外科的治療では限界があります。
変性は粘膜のあちこちで局所的に発生するため、レーザー手術や切除手術では、鼻腔奥の変性には簡単に適応できなかったり、周囲の正常な粘膜まで損傷してしまう恐れがあるためです。
後鼻漏チェックリスト
下記の後鼻漏チェックリストをお試しください
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鼻をかんでも、なかなか出てこない
□
鼻汁が鼻の後ろへ流れる/溜まる/詰まる
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ノドに鼻汁が下がる/まわる/落ちる
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上咽頭(ノドの一番上のあたり)の異物感/不快感/へばりつき感
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息がくさい(鼻や口の中から変な臭いがする)
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ノドに痰(タン)がからむ
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いつもノドがゴロゴロし、エヘンムシがいる
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咳込みや咳払いをしたくなる
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たびたび痰(タン)を吐き出す
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ハスキーな声(声のしわがれ・かすれ)になる
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ノドの違和感(つかえ感・ヒリヒリ感)
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不眠・睡眠障害(特に仰向けで安眠できない)
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口の中がネバネバする
□
口の中に分泌物が溢れる(頻繁に唾を吐き出す)
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味覚障害(食事が美味しくない、変な味がする)
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胃の膨張感、不快感
後鼻漏に関する全国アンケート調査結果
成人の3割以上が後鼻漏の疑いがある
後鼻漏の症名は一般的に、まだあまり知られていません。
アレジオ銀座クリニックでは、後鼻漏の実態を把握するためにインターネットリサーチ会社による全国アンケート調査を実施しました。その結果、対象となった20歳~69歳の一般男女500名のうち、後鼻漏の疑いがある症状がある方が152名に上り、全体の3割以上の方が後鼻漏の疑いがあることが分かりました。
さらに、後鼻漏の疑いがある人(152名)に症状による生活上の弊害について回答してもらったところ、「痰がからむ」(51.3%)・「睡眠不足」(47.4%)・「せき払い(意図的にノドを鳴らす)」(42.8%)などの項目が上位に挙げられました。
しかし、後鼻漏を知っている人は全体のわずか2.2%と、認知度は非常に低い結果でした。
このことから後鼻漏と知らずに症状に苦しんでいる潜在的な患者様が多数存在することが考えられます。
後鼻漏治療の来院データ
鼻炎治療を行う当院は、後鼻漏の実態を把握するために、花粉症シーズン(2月、3月)における来院患者の鼻炎症状を集計しました。
後鼻漏が進行すると、いくら鼻をかんでも鼻水が前方(鼻の穴)からでることはなく、絶えずノドに流れ込んでくる鼻水を口から吐き出し続けるか、飲み込み続けるしかありません。その不快感や日常生活への弊害は大きい反面、一般の認知・理解は低い状況です。
集計の結果、アレルギー血液検査で陽性反応が確認されたアレルギー性鼻炎・花粉症患者102名のうち、問診項目で後鼻漏症状を自覚している患者は78名と76.5%に上りました。(図1)
また、後鼻漏症状の度合いについては「軽い」21名(患者78名のうち26.9%)、「ややひどい」22名(同28.2%)、「ひどい」12名(同29.5%)、「とてもひどい」23名(同29.5%)と回答しています。(図2)
後鼻漏の症状と生活上の弊害
患者さんの体験談
「鼻水がノドに流れる」と聞いても、後鼻漏のつらさは周囲にはなかなか理解されにくいものです。アレジオ銀座クリニックで重度の後鼻漏を治療した患者様(30代女性)にご自身の体験を語っていただきました。
10年以上前に症状が出始めました。鼻水が朝から晩まで絶え間なくノドへ流れてきて、ひどく気分が 悪くなります。ノドへの刺激から、突然せき込むこともしばしばです。
人前では口から吐きだせないので数分おきにノドを鳴らして飲み込みますが、人と会ったり話したりすること にも消極的になります。特に食事のときは倍以上の量が流れ込んでむせやすくなるため、人との食事を避けて 誘いも断るようになっていました。
また、仰向けになると流れ込んでくる鼻水の量が増えるので、いつも横を向いて気道を確保しながら眠っていますが、それでもノドが苦しくて何度も目が覚めてしまい毎晩熟睡できません。
このように患者様の悩みは深刻で、重度の後鼻漏になるとQOL(生活の質)が著しく低下します。
また、周囲への気遣いから、特に女性やビジネスパーソンの方は対人関係への心理的負担が大きいようです。